The WONDER ROAD

     

Uターンの失敗からリスタートするブログ

2021年04月

前回はマニピュレーターをつかって、移動や変形を指定する方法を解説しました。



今回はマニピュレーターを使わずに移動や変形する方法を見ていきます。

Blender_移動_2

Contents

  1. ショートカットキーで移動する
  2. 移動方向を指定するショートカットキー
  3. 移動量を数値で指定する

1. ショートカットキーで移動する

1つ目はショートカットキーをつかう方法です。
移動させたいオブジェクトを  左クリック  して選択し、 以下の各キーを押してマウスを動かすと移動・変形することができます。

  G   キー: 平行移動(Grab <つかむ> の"G")
  R   キー: 回転移動(Rotate <回転する>の"R")
  R   キーを2回連続で押すと自由に回転させることができるようになります
  S   キー: 拡大・縮小(Scale <拡大・縮小する> の"S")

この方法で動かしたい位置へオブジェクトを動かしたあと、もう一度  左クリック  するか  Enter  キーで位置を確定します。
また、  右クリック  か  Esc  キーでキャンセルして終了できます。

2. 移動方向を指定するショートカットキー

軸方向への移動・変形:  G  or  R  or  S  キー +   X  or  Y  or  Z  キー  


移動のショートカットのあとに     X  Y  Z   を押すことで、指定した軸の方向へ移動させることができます。

 G   +  X  or  Y  or  Z  キー: 指定した軸方向へ平行移動
 R   +  X  or  Y  or  Z  キー: 指定した軸周りの回転移動
 S   +  X  or  Y  or  Z  キー: 指定した軸方向へ拡大・縮小


ローカル座標軸方向への移動・変形:  G  or  R  or  S  キー +   X  or  Y  or  Z  キー ×2回

移動のショートカットキーを押したあとに、   X ,    Y ,    Z   キーを2回押すとローカル座標系の軸方向への移動になります。 たとえば
 G  +  X  キー x2回: 選択中のオブジェクトのローカル座標系X軸方向へ平行移動

となります。


平面内の移動・変形:   G  or  R  or  S  キー+  Shift  +  X  or  Y  or  Z  キー

移動のショートカットキーを押したあとに、   Shift  キーと同時に  X ,    Y ,    Z   キーを押すとその軸を除いた2軸を通る平面内での移動になります。たとえば

 G  を押したあと  Shift  +  X  キー : YZ平面内の平行移動

となります。

3. 移動量を数値で指定する

ショートカットキーをつかって移動量を指定するには、移動・変形方向を指定したあと数値を入力します。

たとえば

 G  +  X  +  1  +  Enter  :X軸方向へ1mm平行移動
 R  +  X  +  30  +  Enter  :X軸周りに30°回転移動
 S  +  X  +  0.5  +  Enter  :X軸方向へ50%縮小

となります。

別の方法として、  N  キーを押すと右側に表示されるプロパティシェルフ内に数値を入力することで、位置や角度、サイズを変更することができます。

Blender_プロパティシェルフ




今回は、マニピュレーターのつかい方について詳しくみていきます。

Blender_マニピュレーター
JJuniによるPixabayからの画像
マニピュレーターとは「操作(manipulate)するもの」という意味で、選択したオブジェクトの中央に赤・緑・青で表示される座標軸のようなかたちのものになります。

Blender_マニピュレーター_1

複数のオブジェクトを選択した場合はすべてのオブジェクトの中央に表示されます。

Blender_マニピュレーター_2

表示されるマニピュレーターは移動・回転・スケール・トランスフォームの4種類があり、画面左端のメニューボタンか   Shift  +  スペース   を押しながら、   G  (移動)/    R  (回転)/   S  (スケール)/   T  (トランスフォーム) で切り替えられます。
移動は平行移動、回転は回転移動、スケールは拡大・縮小、トランスフォームはこの3つを合わせたものになります。

Blender_マニピュレーター_3

Blender_マニピュレーター_4


2. マニピュレーターを使った移動・変形

マニピュレーターつかうことで移動方向や回転方向を1方向に制限することができます。

(1) 平行移動

マニピュレーターの3つの矢印のうち、1つをクリックしたままマウスをスライドさせると、クリックした軸方向へオブジェクトを移動させることができます。

Blender_マニピュレーター_平行移動

(2) 回転移動

マニピュレーターの3つの円のうち1つをクリックしたままマウスをスライドすると、その円方向へオブジェクトを回転させることができます。

Blender_マニピュレーター_回転移動

(3) スケール

マニピュレーターの1つの軸をクリックしたままマウスをスライドすると、その軸方向へオブジェクトを拡大/縮小することができます。

Blender_マニピュレーター_スケール

(4) トランスフォーム

これまでに説明した(1)~(3)のすべての要素が同時に表示されているので、移動・変形させたい方向をクリックしてマウスを動かすと、同様に移動・変形できます。

3. 座標系とマニピュレーターの関係

マニピュレーターを使うと、ある1方向にオブジェクトを移動・変形できるようになります。では、マニピュレーターの各軸の方向はどのように決まるのでしょうか?

それを決めるのが「トランスフォーム座標系」です。3Dビューウィンドウの上側中央に現在の座標系が表示されています。クリックするとリストが表示され、6種類の座標系が選択できます。

Blender_トランスフォーム座標系

(1) グローバル

シーンのグローバル座標軸に一致します。

Blender_マニピュレーター_グローバル座標

(2) ローカル

選択したオブジェクトのローカル座標軸に一致します。

Blender_マニピュレーター_ローカル座標

複数のオブジェクトを選択している場合は、各オブジェクトがそれぞれのローカル座標軸に沿って移動・変形します。

Blender_マニピュレーター_ローカル座標_複数選択

(3) ノーマル

選択した要素の法線方向、つまり選択した要素と直交する方向へZ軸が一致します。

Blender_マニピュレーター_ノーマル

(4) ジンバル

ジンバルでは、回転モードをオイラー角、軸の角度、クォータニオンの3つから選ぶことができます。   N   キーを押してプロパティシェルフから選択します。

Blender_マニピュレーター_ジンバル

オイラー角では、よくあるように3つの軸周りの回転の組み合わせで表されます。X軸周り、Y軸周り、Z軸まわりにそれぞれ何度回転するかを入力して、オブジェクトの回転を指定します。

Blender_ジンバル_オイラー角

ジンバルとは、このようなカメラを固定する装置もそう呼ばれるように、3つの軸周りにカメラを回すことでいろいろな角度に固定することができます。

カメラ_ジンバル
軸の角度は、3次元空間のなかで回転軸の方向を決め、その軸回りの角度を指定することでオブジェクトの回転を指定します。

Blender_ジンバル_軸の角度

クォータニオンは、少し理解が難しくなります。イメージ的には、軸の角度と似たようなかたちで、回転の軸と回転角を指定するイメージです。回転を扱う数学的な手法になります。

Blender_ジンバル_クォータニオン

(5) ビュー

現在表示されている画面の上下左右、奥行き方向に一致します。

Blender_マニピュレーター_ビュー

(6) カーソル

3Dカーソルの軸方向に一致します。3Dカーソルの軸方向はプロパティシェルフで変更することができます。

Blender_マニピュレーター_カーソル







今回は、Blenderのコレクションという機能についてです。以前はレイヤーと呼ばれていた機能と同様のものになります。

Blender_非表示にする方法
Henryk NiestrójによるPixabayからの画像

Contents

  1. オブジェクトを非表示にする
  2. グローバルビューとローカルビュー

1. オブジェクトを非表示にする

非表示にしたいオブジェクトを 左クリック で選択します。そのあと、 H キーを押すことで選択したオブジェクトが非表示になります。非表示にしたオブジェクトを再度表示するには  Alt + H を押します。

Blender_選択非表示

同じようにオブジェクトを選択して、  Shift + H  を押すと選択した以外のオブジェクトが非表示になります。これも   Alt + H  で非表示になったオブジェクトを再表示できます。


Blender_選択外非表示

2. グローバルビューとローカルビュー

作業中に不要なオブジェクトを非表示にして作業を簡単にする方法に「ローカルビュー」があります。
通常作業しているすべてのオブジェクトが表示されている状態を「グローバルビュー」といい、それに対して「ローカルビュー」は選択したオブジェクトのみ表示されます。
ローカルビューに切り替えるには、オブジェクトを選択してテンキーの   /  キーを押します。 すると、選択したオブジェクト以外は非表示になり、選択したオブジェクトが画面いっぱいになるようにズームして表示されます。「ローカルビュー」では画面左上に「(ローカル)」と表示されます。もう一度   /   キーを押すと非表示になっていたオブジェクトが再表示されます。

Blender_ローカルビュー_1


複数のオブジェクトを選択して「ローカルビュー」に切り替えた場合も同じように、選択した複数のオブジェクトだけが表示されます。

Blender_ローカルビュー_2


画面上部のメニューの「ビュー」→「ローカルビュー」→「ローカルビュー切替え」でも切り替えることができます。

Blender_ローカルビュー_3


今回は、Blenderのシーンのなかで、オブジェクトを左クリックすることで選択することができますが、そのほかにいろいろな便利な選択方法をまとめます。

Blender_いろいろな選択方法
Free-PhotosによるPixabayからの画像


Contents

  1. 複数のオブジェクトを選択する
  2. オブジェクトの選択を反転する
  3. 隠れたオブジェクトを選択する
  4. シーンのすべてのオブジェクトを選択する
  5. ボックスによる選択
  6. ブラシによる選択

1. 複数のオブジェクトを選択する

1つのオブジェクトを左クリックで選択したあと、 Shift + 左クリックで別のオブジェクトを選択します。最後に選択したオブジェクトは黄色っぽいオレンジにハイライトされ、こちらがアクティブなオブジェクトになります。先に選択したオブジェクトは赤っぽいオレンジでハイライトされます。

Blender_いろいろな選択方法_1


2. オブジェクトの選択を反転する

 Ctrl + i キーで選択したオブジェクトを反転することができます。現在作業しているシーンのなかで、選択しているオブジェクトの選択を解除して、逆に選択してないオブジェクトを選択します。

Blender_いろいろな選択方法_2

3. 隠れたオブジェクトを選択する

 Alt +左クリックで選択できるオブジェクトの名前が表示されるので、選択したいオブジェクトをクリックします。

Blender_いろいろな選択方法_3

ここでは2つの立方体のオブジェクトが重なっているので「Cube.001」「Cube.002」が表示されています。

4. シーンのすべてのオブジェクトを選択する

 A キーでシーン内のすべてのオブジェクトを一気に選択できます。カメラやライトもすべて選択されます。

Blender_いろいろな選択方法_4

5. ボックスによる選択

画面上で四角形で範囲を特定し、その範囲のオブジェクトをまとめて選択します。
 B キーを押すと画面上にタテとヨコの点線が表示されます。範囲の指定を開始する位置で左クリックし、押したまま四角形の対角方向へドラッグ、そして終了点で放して選択範囲を指定します。指定した範囲にオブジェクトが少しでも引っかかっていると選択されます。
ボックス選択モードを終了するときは Esc を押します。

Blender_ボックス選択

 B キーを押したあとマウスの 中央ボタン で範囲を指定すると、現在の選択から指定した範囲内のオブジェクトを除外できます。

Blender_ボックス選択_2


6. ブラシによる選択

複数のオブジェクトを選択する別の方法として、ブラシによる選択があります。
 C キーを押すと円が表示されブラシ選択モードが起動します。 左クリック したまま選択したいオブジェクト上をドラッグすると、ブラシでなぞられたオブジェクトが選択されます。表示された円はブラシのサイズを表し、 スクロールボタン を回してサイズを変更することができます。
この選択モードを終了するには 右クリック 、あるいは Esc を押します。


Blender_ブラシ選択_1

ボックス選択モードと同様にマウスの スクロールボタン を押したままオブジェクト上をドラッグすることで選択を解除することができます。

Blender_ブラシ選択_2



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