エミッタータイプのパーティクルシステムは、選択されたオブジェクトから一定時間パーティクルを放出します。放出されたパーティクルはハロー(光の粒)、あるいはオブジェクトとしてレンダリングされます。

Blender_Paticle_System_Emitter_1


Contents

  1. エミッターのつかい方
  2. 放射パネル

1. エミッターのつかい方

各プロパティの設定はあとから説明するとして、まずはエミッターをつかってパーティクルを放出する方法について簡単に書いておきます。
  1. パーティクルを放出するオブジェクトをつくります。

  2. パーティクルプロパティパネルか ⊞ ボタンをクリックして、オブジェクトにパーティクルシステムを追加します。

    Blender_Particle_Emitter_1

  3. 画面下にあるタイムラインエディタの再生ボタンを押すとパーティクルの動きを確認できます。
    レンダリングする場合はメニューバーの「レンダリング」→「アニメーションをレンダリング」、あるいはショートカット  Ctrl  +  F12 でレンダリングできます。

    Blender_Particle_Emitter_2

2. 放射パネル

放射パネルのプロパティは、時間に対してどのようにパーティクルが放出されるかを設定します。

Blender_Particle_Emitter_Panel_1

    数    

放出されるパーティクルの最大数を設定します。ここでは子パーティクルの数は含みません。
Blender_Emitter_Number_100
100
Blender_Emitter_Number_500
500
Blender_Emitter_Number_1000
1000

    シード    

Blenderではこの値をもとに乱数を発生させます。
この値を変化させるとパーティクルが放出される位置と放出されるタイミングが少しずつ変わります。

Blender_Emitter_Seed_0
シード値 0
Blender_Emitter_Seed_1
シード値 1
Blender_Emitter_Seed_2
シード値 2

    開始フレーム    

パーティクルの放出が開始されるフレームを設定します。マイナスの値を設定すると、レンダリングが始まる前から放出が始まるような動画になります。

Blender_Emitter_Start_-50
スタートフレーム -50
Blender_Emitter_Start_1
スタートフレーム 1
Blender_Emitter_Start_50
スタートフレーム 50

   終了    

パーティクルの放出が終了するフレームを設定します。
終了フレームを早く設定すると、放出されるパーティクルの量が決まっているので短時間でたくさん放出され、遅く設定すると少ない数が長い時間放出されるようになります。

Blender_Emitter_Finish_10
終了フレーム 10
Blender_Emitter_Finish_50
終了フレーム 50
Blender_Emitter_Finish_100
終了フレーム 100

    寿命    

放出されたそれぞれのパーティクルが放出後どのくらいの時間(フレーム数)表示されたままになるかを設定します。
寿命を長くすると放出するオブジェクトから離れたところまでパーティクルが到達することになります。

Blender_Emitter_Lifetime_10
10
Blender_Emitter_Lifetime_30
30
Blender_Emitter_Lifetime_50
50

    寿命のランダム化    

値を設定すると放出されるパーティクルの寿命がランダムになります。
パーティクルのいちばん短い寿命が

(ライフタイム) × (1 - ランダムネス)

で計算されます。
値は 0~1 で設定でき、「0」のときはすべてのパーティクルが終了フレームまで到達します。「0.5」のときにはパーティクルが中間から一番下までの間でランダムに消滅します。「1」に設定すると発生直後から一番下までの間でランダムに消滅します。


Blender_Emitter_Lifetime_Randamness_0
0
Blender_Emitter_Lifetime_Randamness_0.5
0.5
Blender_Emitter_Lifetime_Randamness_1
1.0

発生源

    放射源    

どこからどのようにパーティクルが放出されるかを設定します。
  • 頂点
    メッシュの頂点からパーティクルを放出します。

    Blender_Emitter_Source_Vertex



  • メッシュの面の表面からパーティクルを放出します。

    Blender_Emitter_Source_Face

  • ボリューム
    閉じたメッシュからパーティクルを放出します。「面」と同じように見えますが、内部から放出されているのが分かると思います。

    Blender_Emitter_Source_Volume


    モディファイアスタック使用    

モディファイアはひとつのオブジェクトに複数設定できます。そして、設定した順序にしたがって処理が行われますが、この機能をモディファイアスタックといいます。
パーティクルを生成する際に、パーティクルシステムより先に設定されているモディファイアの効果を考慮する場合は、チェックボックスにチェックをいれます。チェックされていない場合はオリジナルのメッシュ形状を使用します。
モディファイアースタックはモディファイアープロパティパネルに表示されています。ここではパーティクルシステムの上にミラーモディファイアを使用しています。

Blender_Emitter_Modifier_Stack_1

「モディファイアースタック使用」にチェックせずに使用すると、ミラー表示したオブジェクトからのみパーティクルが発生します。チェックを入れると元のオブジェクトとミラー表示したオブジェクトの両方にパーティクルシステムの効果が反映されパーティクルが放出されます。

Blender_Emitter_Modifier_Stack_Unused
未使用
Blender_Emitter_Modifier_Stack_Used
使用

    分布    

放射源として面、あるいはボリュームを選択したとき、放射領域内にそれぞれのパーティクルをどのように分布させるかを次のなかから選択します。
  • ジッター
  • ランダム
  • グリッド

    ジッター     

パーティクル数/面 :    

面内のパーティクルが発生するポイントの数を設定します。「0」に設定すると自動的に決められた位置から放出されます。
キューブオブジェクトでパーティクル数/面の値を変更するとこのようになります。わかりやすいので画像は上から見ています。
Blender_Emitter_Particle_Face_0
パーティクル数/面 0
Blender_Emitter_Particle_Face_1
パーティクル数/面 1
Blender_Emitter_Particle_Face_2
パーティクル数/面 2

放射源をボリュームにしても同様です。オブジェクトの内側から放出されますがそれぞれの面方向に指定された数の点から放出されます。
Blender_Emitter_Particle_Face_2_Face
放射源 面
Blender_Emitter_Particle_Face_2_Volume
放射源 ボリューム

ジッタリング量 :    

この値を変更するとパーティクルの発生ポイントが少しずつ動いていきます。ただ、「パーティクル数/面」を「1」に設定している場合は常に中心から放出されます。
これもわかりやすいので真上から見た画像です。
Blender_Emitter_Jittering_0.5
ジッタリング量 0.5
Blender_Emitter_Jittering_1.0
ジッタリング量 1.0
Blender_Emitter_Jittering_1.5
ジッタリング量 1.5

    ランダム     

パーティクルが発生要素のランダムな位置から放出されます。

ジッターで「パーティクル数/面」の値を「0(自動)」に設定し、ジッタリング値をある値に設定したような動きになります。
なので、「どこから出てもいいや」って感じのときは、これのほうが手っ取り早いと思います。

Blender_Emitter_Ramdam

    グリッド     

パーティクルがオブジェクト上に3次元格子状に配置された点から順に放出されます。

放射源を「面」に設定した場合は面の上に配置された点からのみ放出され、「ボリューム」に設定した場合はオブジェクト内部に含まれるすべての点から放出されます。
Blender_Emitter_Grid_Face
放射源 面
Blender_Emitter_Grid_Volume
放射源 ボリューム

反転グリッド:    

チェックボックスにチェックを入れると放出する点が反転します。

反転というとわかりづらいですが、たとえば放射源が「面」の場合は面の上に配置された点からのみ放出されていましたが、反転すると面の上にない点からのみ放出されます。
放射源を「ボリューム」とした場合は、これまですべての点から放出されていたので、その反対となり、パーティクルが放出されなくなります。
Blender_Emitter_Grid_Face1_Inverse
放射源 面
Blender_Emitter_Grid_Volume_Inverse
放射源 ボリューム

六角グリッド:    

チェックを入れると今まで直線にならんでいたグリッドが六角形にずれて並びます。

Blender_Emitter_Hex_Grid

解像度:    

グリッドの間隔を指定します。
数値を大きくすると間隔が狭くなります。

Blender_Grid_Resolution_5
解像度 5
Blender_Grid_Resolution_10
解像度 10
Blender_Grid_Resolution_20
解像度 20

ランダム:    

グリッドから放出されるパーティクルに対して、グリッド位置からランダムにオフセット量を追加します。
この値を大きくすると、きれいに並んだグリッド位置からのずれが大きくなります。
下の図はキューブを上から見た状態での比較です。

Blender_Emitter_Randam_1
ランダム 0
Blender_Emitter_Randam_0.5
ランダム 0.5
Blender_Emitter_Randam_0
ランダム 1.0

    ランダム順    

チェックを入れるとそれぞれの発生要素からランダムな順序で放出されます。チェックをはずすと1つづつ順番に放出されます。
ここではキューブの面からパーティクルを発生させていますがランダム順を有効にしている場合はすべての面から同時に放出されますが、無効にしている場合は1つの面から放出して、そのあと次の面から放出されます。
グリッドを選択した場合は適用されません。

Blender_Emitter_Ramdam_Order_On
ランダム順 On
Blender_Emitter_Ramdam_Order_Off
ランダム順 Off



    等分布    

チェックを入れると、発生源となる要素の面積をもとに放出されるパーティクルの数が決まります。
小さい要素から放出されるパーティクルは少なく、大きい要素からは多くのパーティクルが放出されます。結果としてモデル表面から均等に放出されることになります。

ここではUV球をつかっています。上下の要素は中央部分に比べて面積が小さいので、等分布にチェックを入れるとあまり放出されなくなります。

グリッドには適用されません。

Blender_Emitter_Even_on
等分布 On
Blender_Emitter_Even_Dist_Off
等分布 Off