HDDやSSDの保存領域を分割して増やすパーティション分割について、そのメリットやデメリット、また、そのやり方などを確認しましょう。
パソコン_HDD_SSD_パーティション分割

Contents

  1. パーティション分割とは
  2. パーティション分割されているかの確認方法
  3. パーティション分割のメリット・デメリット 
    1. メリット
    2. デメリット 
  4. パーティション分割の方法

1. パーティション分割とは

パソコンに内蔵されているHDDやSSDは通常1つですが、内部の保存領域を分割することで見かけ上、2つや3つに増やすことができます。この領域のことをパーティションとよび、それを分割するのでパーティション分割といいます。


パーティション分割_1

2. パーティション分割されているかの確認方法

自分のパソコンのHDDやSSDがパーティション分割されているかどうかわからない場合はWindows10の場合、次のようにして確認できます。
  1. 画面左下にあるスタートボタンを右クリックします。

    パーティション分割_確認方法_1


  2. 「ディスクの管理」をクリックします。

    パーティション分割_確認方法_2

    「ディスクの管理」画面が開きます。

    ディスクの管理_画面_1

またはスタートメニューから開く方法もあります。
  1. 画面左下のスタートメニューから「Windows管理ツール」のなかの「コンピューターの管理」をクリックします。

    パーティション分割_確認方法_3

  2. 「コンピューターの管理」画面が開いたら、左側のツリーから「記憶域 / ディスクの管理」をクリックすると先ほどと同じ「ディスクの管理」画面が表示されます。

    コンピューターの管理_画面_1

「ディスクの管理」画面の表示ですが、「ディスク0」と表示されているものが内蔵されているHDDあるいはSSDを表しています。そして「(C:)ドライブ」としてひとつだけ表示されているので、分割されていないことになります。

3. パーティション分割のメリット・デメリット


(1) メリット

  • コンピューターがクラッシュした際に復旧が簡単
  • バックアップが簡単
  • データが断片化することで起こる読み込み速度が遅くなることを抑える

まず、いちばんのメリットはコンピューターがクラッシュした際の復旧の簡単さです。最近はあまり聞きませんが、ごくまれに「コンピューターがクラッシュしてデータがなくなった・・・」みたいな話を聞きます。コンピューターがクラッシュするとWindowsなどのシステムファイルを再インストールすることになるのですが、システムファイルとアプリで作成したファイル、写真や音楽などのデータファイルを同じドライブに保存しておくと、再インストールの際にデータがすべて削除されてしまいます。

パーティション分割_クラッシュ_1

でも、パーティション分割されているとシステム領域だけ再インストールし、データ領域はそのまま使用することができます。

パーティション分割_クラッシュ_2

つぎのメリットとしては、保存されているデータをバックアップするのが簡単になります。ドライブがひとつだとバックアップする際に必要なデータをひとつづつ選択する必要があります。それに対して最初から保存領域を分けておくと、データ領域に保存されているデータをまとめてすぐにバックアップすることができます。

パーティション分割_バックアップ

もうひとつのメリットとしては、これはHDDの場合だけですがデータの読み込みが多少早くなります。データがシステムファイルと同じドライブに断片化して保存されている場合、データを読み込むときにドライブ全体から読み込みたいデータを探すことになります。しかし、パーティション分割されていると、そもそも保存されている領域が狭くなるので、目的のデータを探す時間も短くなるというわけです。

パーティション分割_データ読みこみ


(2) デメリット


  • 使い勝手が悪くなる
  • 「ドキュメント」「ミュージック」などのフォルダーの移動が必要
  • アプリの保存先の変更が必要

デメリットとしては、まず、使い勝手が悪くなります。分割していない場合だと、特に何も気にする必要なくデータを保存していましたが、分割してシステム領域とデータ領域を分割することで、データを保存する際にシステム領域に保存しないよう注意が必要です。ただ、このひと手間はメリットとして挙げたことを簡単にするためですので、どちらを優先するかという話です。仮にシステム領域に保存してしまっても、後から移動すればいいだけのことですので、あまり大きな問題ではないのかなと思います。

もう一つは、これも手間がかかるというだけの話ですが、Windowsの場合、最初から準備されている「ドキュメント」「ピクチャ」「ミュージック」などのフォルダを分割した後のデータ領域に移動させる必要があります。
通常、これらのフォルダはCドライブに設定されています。そして、ドキュメントファイルやダウンロードした音楽ファイル、写真などをここに保存している人も多いのではないでしょうか。でも、これらのファイルはデータファイルですので、分割して新しく作成したデータ領域に移動させたほうがいいですよね。最初に移動させてしまえば、あとは気にせず使えますので最初に移動してしまいましょう。


パーティション分割_フォルダ

さいごに、通常アプリで作成したファイルの保存先として、アプリが保存されているドライブが指定されています。これをアプリごとに新しく作成したデータ領域に指定しなおす必要があります。

以上がメリットとデメリットになります。デメリットに挙げた項目は手間がかかる作業が多いですが、メリットで挙げた項目は後からでは取り返しのつかないものもあるので、最初に分割しておくメリットは十分にあるかな、と思います。

4. パーティション分割の方法

それでは実際にパーティション分割をやってみましょう。手順はとても簡単です。順序としては、現在のドライブを縮小して容量を空け、そこを新しいドライブにあてるという手順です。
  1. さっき書いた方法のどちらでもいいので「ディスクの管理」をひらきます。

  2. 分割したいドライブを右クリックします。表示されたメニューから「ボリュームの縮小」をクリックします。

    パーティション分割方法_1

  3. 「C:の縮小」の画面から縮小する領域のサイズを "MB(メガバイト)"で入力し「縮小」をクリックします。このとき、入力するサイズは縮小後に空きとなる領域縮小後のCドライブのサイズではないので注意しましょう。
    たとえば500GBのCドライブがあったとして、これを200GBのCドライブと新しく300GBのDドライブに分割したいとします。そのときは「縮小する領域のサイズ」には "300000MB(300GB)" と入力します。そして、分割後のCドライブのサイズは「縮小後の合計サイズ」に表示されます。

    パーティション分割方法_2

  4. 「ディスクの管理」画面を確認するとCドライブひとつだった領域が分割され、黒色で表示された未割り当て領域ができているのがわかります。

    パーティション分割方法_3


  5. 未割り当ての領域を右クリックして表示されたメニューから「新しいシンプルボリューム」をクリックします。

    パーティション分割方法_4


  6. 「新しいシンプルボリュームウィザード」表示されるので「次へ」をクリックします。

    パーティション分割方法_5

  7. 新しくつくるボリュームのサイズを入力します。空き容量のすべてを同じ領域にするのであればそのまま「次へ」をクリックします。さらに分割するのであればサイズを指定して「次へ」をクリックします。

    パーティション分割方法_6

  8. 新しく作成したドライブに割り当てる文字を指定します。通常はもともとあるCドライブに続いてDドライブとすることが多いと思いますが、なんでも構いません。そして、「次へ」をクリックします。

    パーティション分割方法_7

  9. ファイルシステムを「NTFS」、アロケーションユニットサイズ「規定値」とします。ボリュームラベルはエクスプローラーなどで表示されるラベルですので「ボリューム」「ローカルディスク」等なんでも構いません。そして、「クイックフォーマット」にチェックをいれて「次へ」をクリックします。

    パーティション分割方法_8

  10. 「新しいシンプルボリュームウィザードの完了」と表示されるので「完了」をクリックして終了です。パーティション分割方法_9

エクスプローラーで確認すると、Cドライブと別にDドライブが作成されているのが確認できます。


パーティション分割方法_10