「メンタルが強い」とか「緊張に弱い」とかよく言われますが、当然みんな自分の子どもには「強いメンタルを持ってほしい」と思っているわけです。では、どうすればいいのか?

サッカーがうまくなるブックレビュー_2

Contents

  1. 本の紹介
  2. 記憶に残る10文
  3. この本のポイント

1. 本の紹介


子どものスポーツの試合や習い事の発表会などに行ったときに、自分の子だけパッとせず、「練習ではできているのに。」とかイライラしたことはありませんか?ほかの子は思い切りプレーしているように見えるのに、なぜか自分の子だけ消極的に見えたりしませんか?そして、その原因を「この子は本番に弱い。」「プレッシャーに負けている。」「あがり症だから。」みたいな言葉で片付けてしまっていませんか?
でも、この本はそんな気持ちにまったく新しい考えを与えてくれます。
最近では、子どもが毎日のように習い事へ通うのが当たり前のようになっています。そのため、学校のテストも含めて、他人と比較する機会も増えているような気がします。他人と比較するのは良くないとわかってはいても、やっぱり自分の子どもがいちばんかわいいし、色々と口を出してしまうというお父さんお母さんも多いのではないでしょうか。ぼく自身もそうでした。気がつけば悪いとわかっていても、ほかの子と比べて、イライラして「なんでできないんだ。」と子どもに怒ったりしてました。
この本は、「子どもが実力を発揮できるようにするにはどうすればいいか」のヒントをくれるだけではなく、そんな態度をあらためて見直し、子どもに対する接し方を考え直させられた一冊です。

2. 記憶に残る10文

緊張したくないと思ったところで、緊張しているという感情は自分にはどうすることもできないのです。
今まで「緊張に強くなると緊張しなくなるものだ。」「そのためにメンタルを鍛えなければ。」と考えていましたが、その考えを180度変えさせられました。

子どもに本当の感情を吐き出してもらうには、親も思い込みは捨てて、「それってどんな感じ?」と、まっさらな気持ちで聞く姿勢が大切です。
親はすぐに「こう思ってるんでしょ」と決めつけがちですが、案外子どもの気持ちはわかってないのかもしれません。

「嫌い」とか「怖い」とか「面倒くさい」などの、マイナスの感情は「悪」だといつの間にか思い込まされていて、大人と同じように、意識する前にあえて打ち消すくせがついているのかもしれません。
大人が勝手に良い悪いを決めてしまうことで、子どもが勝手に同じように思い込んでいるかもしれません。いちばん身近な大人の親の影響力はとても大きいのかもしれません。

けれども、本番の感情に「想定外」をつくることのほうが、実は失敗のリスクははるかに高いのです。
よく言われる本番への心構え。それも違うアプローチがあることを知りました。

そんなときは、たとえば、「もしかして、いま緊張してる?」「ちょっとイライラしてる?」と、自分の感情に気づかせてあげるようなお父さんやお母さんからの声かけも大事だとおもいます。
声掛けの大切さは色々と言われていますが、少し違った観点からの声掛けの推奨でした。ほかではあまり聞かない方法です。

「緊張」というマイナスの感情と「失敗」を切り離すこと。「緊張していてもできたこと」のほうに意識を向けて、「成功体験」を積み重ね、「緊張していてもできた!」という自己肯定感を育てること。
「なぜ緊張したままでいいのか?」「どうやって本番に強くなるのか?」この謎を教えてくれます。

自己肯定感をもち続けられれば、「できること」のラインは少しずつ、そして確実に高くなります。
本番に強くなるために、どうやって子どもにアプローチしていけばいいのか?具体的にどのようにすればいいのかを教えてくれます。

それなのに、多くの親御さんは、それがクリできたことよりも、「できなかったこと」ばかりに意識を向けていたのです。
親として子どもを支え見守っていくことの大切さがわかっていても、まったく正反対のことをしているなあ、と気づかされます。子どもが力を発揮できない理由は親にもその原因があるようです。

その自信がもてるようになった第一歩は、「気が弱い自分」や「人前で緊張する自分」が本当の自分の姿なのだということに気がついたことです。

お父さんやお母さんが、できないことも含めて今の自分を認め、小さな「できた」にOKをあげること。
子どもにはつい偉そうにいろいろと言ってしまいますが、まず自分を見つめ直すことが大切です。結局子どもは親から少なからず影響を受け、成長していきます。親の振る舞いひとつで子どもが変わるということもあるのかな、と考えさせられます。

3. この本のポイント

  • 子どもが自分の感情を理解して素直に受け入れることが第一歩
  • マイナスの感情のなかで成功する経験をさせる
  • 親自身も今の自分を素直に認める